1974-04-08 第72回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第4号
○政府委員(橋本道夫君) まず、研究の初期の段階におきましては、最初は神通川流域の富山県の婦中町の医師である萩野医師から、本件につきまして、昭和三十二年でございましたか、萩野氏発表がございまして、三十四年ごろから鉱毒説というものをお出しになって、この研究を進められたわけです。なお、それに関しまして岡山大学の小林教授と、また農学のほうの吉岡教授もこれに関連して発表されたことがあります。
○政府委員(橋本道夫君) まず、研究の初期の段階におきましては、最初は神通川流域の富山県の婦中町の医師である萩野医師から、本件につきまして、昭和三十二年でございましたか、萩野氏発表がございまして、三十四年ごろから鉱毒説というものをお出しになって、この研究を進められたわけです。なお、それに関しまして岡山大学の小林教授と、また農学のほうの吉岡教授もこれに関連して発表されたことがあります。
これは一つは私は萩野さんがあまりにも鉱毒説を主張されるあまり、自己の見解だけをお述べになる。症例報告が非常に乏しいのですね、あなたの場合。そういう点が、スペキュレーションが非常に多過ぎるのだというような原因になっておるのだと私は思うのです。
私がビタミンDを患者に投与したのはビタミンD不足説を主張していた三十年ごろのことで、鉱毒説をとり始めた三十二年以後は患者の治療にはビタミンDを使っていなかった。ところが四十三年ごろにウィーン大学のある教授が慢性カドミウムによる腎性骨軟化症にはビタミンDの大量投与が最も治療効果があると発表したため、再び一日十万から二十万単位のビタミンDを患者に投与している。
○萩野参考人 この中で、読んでみますと、鉱毒説を唱えてから、特に昭和三十六年にカドミウム説を唱えてからは、治療の中心としてビタミンDを使っていたということを中止したということになります。ですけれども、新しく来る者にはやはり使ってみる、ある程度使ってみようかということでございますが、いままでは主体として使っていた、それを主体として使うのを中止した、こういうことでございます。
何か鉱毒説をやられるときに一ぺんは負けたんだ、そのときには必要な条件は出したけれども十分条件でなかった、こう書いてありますね。ですからやはり十分条件というようなかっこうで出していただいたほうが私はいいと思うのですが、どうしても先生がお出しにならないというなら、これはまたあとでお話ししたいと思いますが……。
そういうふうになってまいりますと、私も自分の立てた鉱毒説、これを立証するためにはと思いあぐねていたのでございますが、ちょうどそのときに同種鉱山の近くに同種疾病がはたしてないものであろうかということから、富山県内の三日市にある三日市製錬所の近くを訪れたことがあるのでございます。初めて訪れてみますと、ささやかな工場、まことに失礼な言い方でございますが、町工場のような感じ。
もちろん、昭和十八年に神岡鉱山を調べた経験がございますので、同じ富山県のことでありますし、神岡鉱山の鉱毒だと直感しまして、萩野さんにお伝えしたわけでありますが、ところが萩野六んはすでにその数年前から鉱毒説を唱えておられたのであります。しかしながら、御承知のように医学界は、その当時萩野さんの鉱毒説を全然受け入れなかった。総反対を受けておられたのであります。
とてもじゃないが、カドミウムなんという鉱毒説なんてない、それはおれの実験で明らかじゃないか、こういうことで、一たびはカドミウム説も葬り去られたのです、学界では。そうしてこの館教授のもとで研究をしておったのはだれかといいますと、神岡鉱山で研究した人たちであることがはっきりしたでしょう。 こういうことを考えてまいりますと、企業も学者を動員して、公害の原因追及をじゃましておる。
これをどう解釈すべきかということで、富山県立中央病院、多賀一郎という院長がおられる病院でございますが、この病院は私が鉱毒説を唱えましたときに、鉱毒ではない、栄養であると発表されまして、名古屋の学会で、やはり鉱毒説などを唱える学者もいるが、これは何ら根拠がないのであって、このイタイイタイ病という俗名の病気は、潜在性骨軟化症と名前をつけようじゃないかと提唱された病院でございます。
イタイイタイ病についても、かつては河野稔博士が、鉱毒説を唱えておる者があるが、これは何ら根拠のないものである、などと学会で意見を述べております。それがために研究は停とんして今日に及んでおるのでありますが、さらにイタイイタイ病については今後また企業側に立った御用学者があらわれないとは言えないのであります。
この通知は、河野先生が「鉱毒説を唱えている者がいるが、これは何ら根拠のないことであって」と、学会で発表されたもとになったのでございます。白でございます。しかし、その中で京都大学のムンドヒルルギー、口腔外科でございますが、ここからのみは弗素が高い、しかし、異常に高いとは考えられないという返事がまいりましたが、それ以外は全部白なんでございます。
それで萩野博士の鉱毒説というものが初めて世間に紹介されたのでありますが、その後どのお医者さんも報告書において鉱毒説を排斥しまして、原因は全く不明であって、鉱毒説を唱える学者なんかおるがとんでもないというような意味の医学報告がなされております。
しかも学会においても鉱毒説なり、あるいはカドミウムだとたいへんだと、全国労働衛生協会の久保田さんですか、述べられ、カドミウムは新しい重金属性の発見であって、しかも外国にも報告されていない。資料も少ない。だからどうしても国際協力という形においてでも進めなくちゃならないのじゃないかという問題点を指摘しておられる。
それらも、かねて当初言われてまいりました栄養障害説、あるいはカドミウム鉱毒説、これが最初並立状態でございましたが、だんだん事実の調査究明の中で、カドミウムというものを無視してこの問題を議論することはできない。栄養障害というならば、何も神通川のふちふちを中心にしたあの地点だけにこの悲惨な病気が集中的に起こったことは解明できないはずである。
現在厚生省の研究班がずっと研究をやっておりますけれども、先日も中間発表がなされまして、かなり鉱毒説が表面に出てきた、このようなことを聞いておりますが、現在の研究班の成果がどの程度進んできておるか、結論はいつごろ得る見通しか、その点をまず厚生省のほうからお伺いしたいと思います。
○矢追秀彦君 そうしますと、またそれからいろいろな検討をされると、かなりおそくなると思いますが、もしこの研究班で鉱毒説というものが有力だと結論が出れば一番いいのですけれども、かなりその鉱毒説というものが表面に出た場合に、その結論を厚生省が直ちにこれを鉱毒として発表するかどうか、その点はどうですか。